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管理会計を経営管理に生かそう
――― 計数管理の重要性 ―――
PART3 上田 頭
 企業経営のツール(道具)としての計数管理(管理会計)のシステムをみると、その企業の経営管理レベルを知ることができると言われている。
 先年、独立行政法人中小企業基盤整備機構が、中小企業に管理会計の知識が必要であるとして全国の商工会議所を通じて大規模なセミナーを行った際、私も研修講師として参加した。
 我が国の企業金融は担保主義で、担保(主として不動産)があれば融資を受けられたが、バブル経済の崩壊後、担保価値が下落して債権の回収が困難になった。そこで担保だけではなく、経営が健全、順調であるかどうかに着眼して融資を行うようになってきた。このため中小企業としても管理会計の知識が必要であると認識されるようになった。
 もともと我が国では一握りの先進的企業(例えば、京セラ、ローム)を除いて、計数管理レベルが欧米と比較して低いと言われている。
 優良企業の条件を10項目あげる場合に、その内計数項目を5項目とてしている米国イリノイ州の著名コンサルタント会社(IPA)の例がある。我が国では10項目のうち計数は2項目程度にすぎず、計数管理(そのための技法である管理会計)の重要性認識に差があるので、中小企業基盤整備機構は大掛かりな研修事業に乗り出したものである。
 計数管理は過去の業績を知るための事務処理ではなく、将来の企業業績の計数的枠組みを示すガイドラインであって、経営計画のバックボーンである。従って、計数管理システムを見れば、その企業の経営管理のレベルが分かると言われているのである。
 一般の決算会計は、社外の投資家や利害関係者に資産・負債の状況や、一定期間の損益状況を提供する目的のもので、その様式は制度として決められている。
 管理会計は個々の企業の経営管理に必要な計数情報を得るためのツールであって、両者は目的が異なっている。管理会計は経営管理の効率化のためや、経営戦略のアイディアを得るための会計である。
 従って管理会計(計数管理)システムは企業ごとに異なり、社内の管理職が理解できる、ポイントを押さえたシンプルなものでなければならないし、グラフや図表も含まれる幅の広い概念である。
 基本的な技法には生産性・収益性・流動性・成長性の各指標、CVP分析、損益分岐点分析、資金繰など資金諸表、統制会計(予算管理)、標準・直接原価計算、適正在庫の計算などがあり、個別の企業によって必要な技法を組み合わせて管理に生かすことが重要である。