人材ビジネス業界の法律
■ 派遣法
派遣法とは、労働者派遣法のことで、さらに詳しい名前(正式名)は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保および派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」という。
●派遣法とは、要するに、派遣で働くスタッフの権利を守るための法律であって、これを実現するために、派遣会社とか派遣先企業が守るべきルールを定めています。
●なお、労働者の権利を守るための法律としては、他に労働基準法があります。しかし、労働基準法で定められているのは、正社員も派遣もパートもすべて含めた、つまり雇われて働く人すべてに関わるものです。これに対して、派遣法では、「派遣という形態での労働」という、従来の労働関連法ではカバーしきれない労働に焦点を当てています。
●派遣法は、 1986年7月1日から施行されています。その後、社会環境の変化に対応して、何度か改正が行われました。大幅な改正があったのが1999年と2003年で、特に2003年の改正によって、派遣として働ける仕事の種類が原則的に自由化されたのをはじめ、企業が派遣スタッフを簡単に使用できるような環境が整備されたのです。
■ 26業務
●派遣法の改正により、平成16年3月1日より、派遣できる業務の中で、下記の26業務については、派遣先企業が派遣社員を受け入れる期間の制限がなくなりました。
1号:情報処理システム開発 2号:機械設計 3号:放送機器操作 4号:放送番組の制作
5号:機器操作 6号:通訳、翻訳、速記 7号:秘書 8号:ファイリング 9号:調査
10号:財務 11号:貿易 12号:デモンストレーション 13号:添乗
14号:建築物清掃 15号:建築設備運転等 16号:案内・受付、駐車場管理等
17号:研究開発 18号:事業の実施体制の企画、立案 19号:書籍の制作・編集
20号:広告デザイン 21号:インテリアコーディネーター 22号:アナウンサー
23号:OAインストラクション 24号:テレマーケティングの営業
25号:セールスエンジニアの営業、金融商品の営業
26号:放送番組等における大道具・小道具
紹介予定派遣とは何かというと、労働者派遣のうち、派遣元事業主が、派遣労働者・派遣先に対して職業紹介を行う又は予定しているものをいいます。つまり、派遣先企業の社員(正社員・契約社員・嘱託など)になることを前提として働く派遣契約のことです。
●2004年3月1日に施行された改正労働者派遣法により、これまで紹介予定派遣には禁止されていた派遣就業開始前の派遣先からの求人条件の明示や、事前面接、事前の履歴書の送付等、派遣先が派遣スタッフを特定する行為が可能となりました。
●2004年の派遣法の改正では、上記のように、紹介予定派遣に対して、事前に履歴書の確認、面接を行う事が可能となりました。ただし、派遣労働者の年齢、性別を理由とした差別を行わないよう、雇用対策法、男女雇用機会均等法に則り、適切な運用を行う必要があります。
●改正派遣法では、紹介予定派遣に関して、同一の派遣労働者に対して、最長6ヶ月までとなっています。
●2004年の労働者派遣法改正により、物の製造業務(製造業)への派遣が解禁になりました。これまでは、製造業の現場では、派遣労働は禁止となっていたため、たとえば、ひとつのラインごとに業務請負(業務委託)といった方法が採られてきました。しかし、派遣が解禁になったことで、派遣労働者が製造の現場に入るようになり、今度は、「派遣」と「請負」あるいは「業務委託」といった労働形態に関し、さまざまな問題が出てきています。つまり、「偽装請負」とか「偽装派遣」とかいう問題です。派遣と請負の違いは何か、といったことが問題になってきたわけです。民主党のマニフェストでは製造業務(製造業)への派遣が再度禁止になるようです。
●労働者派遣法では、労働者派遣を明確に定義しています。つまり、派遣と請負は明確に区別されているのです。派遣法の第2条1号には、「(労働者派遣とは)自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする」つまり、労働者派遣は、派遣先企業の指揮命令を受けて仕事をするのです。
●「請負とは」まとまった仕事を受けて、請負業者が独自の指揮命令で仕事をすることです。
●労働者派遣事業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先のために労働に従事させることをいいます。しかし、請負では、労働の結果としての仕事の完成を目的とするもので、労働者派遣との違いは、注文主と労働者との間に指揮命令関係は生じません。指揮命令関係は、請負業者とその使用人の間で生じるだけです。これではっきり区別されています。
●形式的には請負契約になっているのに、実態としては、労働者派遣である、といったことがあり、これを「偽装請負」あるいは「偽装派遣」といい、これは明らかに労働者派遣法違反です。そして、これを労働者の方から見ると、自分の使用者からではなく、発注者から直接、業務の指示や命令をされるといった場合、実態は、「偽装請負」である可能性が高いわけです。両者の区別を曖昧にしてはいけません。
『再就職支援サービスは70年代に欧米で利用されるようになり、80年代にグローバルに大きく成長した新しい人材サービスです。日本では90年代後半から立ち上がり、2001年から02年に向かって急速に拡大し、一気に400億円に近い市場規模にまで成長しました。その後日本企業の構造改革が一巡し、経済が回復基調になるにつれて、市場規模も小さくなりました。しかし、再就職支援サービスに対する認識は大企業だけでなく多くの日本企業に広がり、その必要性とサービスについての価値評価は確実に浸透しています。進展するグローバリゼーションの流れの中で、日本企業も生き残るために、M&Aがひとつの経営の手段として認められ、既存の人材が事業転換に十分に適応しえないため、われわれのサービスも市民権を得たと感じています。
また、昨年人材協で実施した「再就職支援に関する意識調査」で、現在では再就職支援サービスの利用は、人材の代謝を考えた恒常的な転進制度を導入し、社員への「最後の福利」として、利用ケースが増えています。さらに、長期失業者の安定雇用実現に向けた就職支援を多くの再就職支援事業者が国から包括受託するなど、公共的施策の一翼を担うとともに、民間企業だけでなく、公的な団体でもこのサービスを利用するようになって来ており、再就職支援サービスは高い認知度を得てきています。一方で、われわれが十分注意しなければならない個人情報保護の問題あるいは高齢者の雇用延長や再雇用に絡んで更なる効果的なサービスについての要請も拡大してきました。再就職支援協議会においても、認知を広げるための活動だけでなく、こういった面での会員企業の認識を高め、品質向上を図るべく活動を進めてきました。今後とも当協議会は変化する市場の中でお客様のニーズに応え、会員企業のサービスの質の向上と会員相互の研鑽を目的として活動を継続していく所存であります。』
2007.4.1再就職支援協議会 代表幹事宮木 啓治談
再就職支援事業(アウトプレイスメント)は1960年代初頭にアメリカで始まりました。
主として管理職の再就職支援の社会的必要性の認識から出発し、善良な非自発的退職者にカウンセリング、トレーニングを実施することによって元気で優良な人材へと再生し、職探しのノウハウを授ける一方で求人情報を集め、再生された人材を無料で企業や役所に紹介します。
1989年、景気後退の兆しが起こり、大企業のリストラクチャリングとダウンサイジングが始まって、改めてアウトプレイスメントが注目され、最大規模のレイオフが行われた1992年から1993年にはその利用が本格化しました。
我が国における再就職支援事業の萌芽は1980年代初頭の再就職支援会社の設立にみられるが、脚光を浴びるのはバブル崩壊後の不況が続き、企業の本格的なリストラクチャリングが始まった1995年以降で、多くの余剰人員を抱える企業からの依頼により、会社都合で離職を予定している社員、在籍出向する社員向けに再就職支援サービスを行っています。
2004年には厳しい経済情勢等を背景に、長期失業者が増加する中で、公共職業安定所で安定した雇用に至らなかった長期失業者対策として、安定した雇用の実現を図るため、職業紹介をはじめとする就職支援から就職後の職場定着指導までを包括的に民間に委託する事業がはじまり、多数の再就職支援事業者が受託し役割を担っています。
完全失業率2002年平均の5.4%から2007年2月4.0%の数値が示すように雇用情勢は大幅に好転しましたが、なお多くの企業では「対象の方の次の職場へのスムーズな移行に有効」「企業の構造改革、企業体質改善に有効」「高齢者の再就職の促進に有効」であるとして再就職支援サービスを評価しています。(2006年7月実施の再就職支援に関する意識調査より)
再就職支援サービスを提供する事業者は、顧客である企業の依頼によって、その会社からの出向、または離職を予定している人、あるいはすでに離職した人に対して安全確実で適切な再就職を実現するための各種サービスの提供を行っています。
世の中のセーフティネットとして、再就職支援サービスの社会的認知度は高まり、その役割はますます重要になっていくものと考えています。